人の心まで美しくするのではないか
はじめに
人の心まで美しくするのではないか
特に、年を取ってくると、すっきり暮らす人とそうでない人がはっきりしてくる。まし て、これまでは子供たちがいてそのぷん場所を取っていたのが、その子供たちが出て行っ てしまってスペースに余裕ができたはずなのに、狭苦しく暮らすのは、考えてみるとおか 整理しやすくする IOO‐ある。 細長い六畳間の片隅に小さな食卓が一つあり、反対の窓側にテレビが一つあるだけで、 カーペットを敷いた床に大きめのクッションがいくつかあるだけの部屋だった。 壁側に何の戸棚もなく、そこに大きな絵が三つも掛かっていた。 特に食卓の横の壁面には、往年の女優、グレタ・ガルボの版画があった。 クッションに腰を下ろすと、ちょうどその絵が真正面に見える。 女であっても、美しい女性の絵はいい。顔、形を真似るわけにはいかないが、この美し い瞳から発されるエネルギーというか、美しく生きていこうという気持ちは伝わる。 何も置いていない部屋だから、その絵が強く響いてくる、と思った。 若い人とつき合うと、思わぬところで教えてもらうことが多い。 年を取って一人で小さな部屋に住むときは、自分がこれから生きていく上で必要なもの だけを残して、それ以外は処分して、空間をできるだけ作ろう。 それをどう楽しむかが、その人の心まで美しくするのではないか。 次に、「整理上手になる」ことは、自分の暮らしで醜い部分はどこかを考えて、それぞ 「使わないものを処分する」といわれても、私たちの世代はなかなか思い切れないものだ。